アンティークコインの鑑定会社とは?

鑑定会社は何をするところ?

アンティークコインの鑑定会社が行うことは以下のとおりです。

1.コインの真贋(しんがん)を見極める
 高額なコインもあるため、偽物もあります。コインが本物であるかどうかをプロが見極めます。

2.コインのグレーディング(格付)をする
 コインの状態を見極め、独自の評価システムでランク付けをします。

3.スラブケース(保護カバー)に封印する
 真贋を見極め、状態の格付けが終わった後、鑑定会社オリジナルのケースに密封します。
 これにより偽物とのすり替えを防ぎます。

↓ 世界2大鑑定会社NGC社の鑑定動画(5分57秒)

おすすめというより、必須の鑑定会社は?

現在、アメリカを中心に世界中に数十社の鑑定会社が存在しています。
その中でもPCGS社NGC社は圧倒的な鑑定数と確かな評価システムの構築により世界中のディーラー、コレクターから絶大なる信用と信頼を集めています。

この2社に鑑定されたコインは同グレードであれば、ほぼ同水準と見なされており、売買取引の際は重要な指標となっております。またこの2社以外の鑑定コインは取引価格がおおきく下がる傾向にあります。アンティークコインを購入する場合は鑑定会社がPCGS社またはNGC社であるか確認することが大事です。

ちなみにPCGS社NGC社を比べて、どちらが上か下かという議論もあるようですが、あまり気にしなくてよいと思います。

PCGS社。1986年にアメリカ、カリフォルニア州ニューポートビーチに創設されたました。現在では世界共通のグレーディング基準となっている「シャルドン・スケール(70段階)」を最初に確立した会社でもあります。

NGC社。1987年にアメリカ、フロリダ州サラソタに創設されました。古代コインを唯一鑑定しています。また、アメリカの「スミソニアン国立博物館」や中国上海の 「ミントミュージアム」等が所蔵している各国の「国宝級の歴史的コインや紙幣」等もグレーディングを請け負っています。

鑑定料はいくら位か?

日本からも鑑定に出すことができます。取次をされているコインショップさんがありますので、ネットで「コイン 鑑定 代行」で検索すると見つけることができると思います。料金はコインの評価額によって変わります。大体、1万円から3万円位の幅のようです。

参考までに「ワールドコインズさん」の鑑定代行ページをリンクしておきます。
https://www.coins.co.jp/grading/

鑑定グレードはどうなっているのか?

PCGS社、NGC社共通で使用できるように簡単にまとめてみました。

<種別>

・ミントステイト(MS)

流通用に鋳造された未使用のコイン
※紛らわしいことにMSの中にプルーフライク(PL)というものがあります。プルーフコインのような輝きという評価です。


・プルーフ(PFまたはPR)

特殊技術で仕上げた特別記念コイン。鏡面のような仕上げになっているものが多い。
その中でも最高の格付けをNGC社はウルトラカメオ、PCGS社はディープカメオと呼んでいます。
例えば、「NGC PF70ウルトラカメオ」または「PCGS PR70ディープカメオ」と表記されます。


<グレイド>

70段階になっており、70が最高グレードとなります。

鑑定表記グレイド内容
PF(PR)/MS70Brilliant Uncirculated(完璧な刻印と光沢)
PF(PR)/MS69-60Uncirculated(完璧に近い状態の光沢)
AU59-50About Uncirculated(極僅かに流通の痕跡がありますが、未使用に近い状態)
XF(EF)49-40Extremely Fine(流通の痕跡があるが部分的には鮮明な状態)
VF39-20VeryFine(極美品)
F19-11Fine(美品)
VG10-08Very Good

※Uncirculated :流通していない。という意味。

古代コインではないアンティークコインはなるべく「PF(PR)/MS」以上がおすすめです。モダンコインはなるべく「PF(PR)/MS」の69以上、できれば70を入手した方が良いです。

また、コインの中には上記70段階の評価がつけられない状態のものがあります。例えば、穴があいていたり、不適切に洗浄されている、大きく傷が入っている等々です。その場合は「Details」という表記になることがあります。「Details」の種類も色々ありますので、追々書いてみたいと思います。

以上、今回も長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

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